リバーブを使ったMixと音作り(基礎編)

リバーブを使ったMixと音作り(基礎編)

 

リバーブは楽曲の雰囲気を決定づけるエフェクタです。効果的に使うと楽曲のクオリティを格段に上げることができますが、十分に使用できずにドライなミックスになったり、逆に使いすぎて酷いときには”風呂場ミックス”なんて言われる事もあります。私自身も「リバーブの使い方を教えて下さい」といった質問も何回も受けており、今回このテーマで記事を書こうと思い立ちました。複数回に渡ってリバーブについて記事を書いていこうと思いますのでどうかお付き合いください。

はじめに デモ曲

今回のリバーブ解説用にデモ曲を作りました。今後はこれを使って解説していきたいと思います。

 

リバーブの3通りの使い方

リバーブは細かく分けると何通りも使い方・種類があり非常に自由度の高いプラグインですが、大きく分けると3通りになると私は考えています。

  1. 全体に馴染ませる・奥行きを出す
  2. 残響音を出す
  3. 積極的な音作りに使用する

この3つは同じプラグインを用いる事はあっても、使用方法が全く異なります。
個々の使用方法で掘り下げて解説する記事は別で書きますが、大まかな違いはここで解説したいと思います。

全体に馴染ませる・奥行きを出す

この使用方法がリバーブの使用方法として最も一般的なものでしょう。代表的な例としては、ボーカルに薄くプレートリバーブを掛けたり、ドラムに軽くルームリバーブを掛けたりというものがあります。この使用方法の場合は、聞こえないくらい薄くかけるのがポイントとなります。

実際に聞いてみましょう。

●オリジナル

 

●スネア リバーブOFF

 

(6/5 ドラムのみの比較音源追加)

●オリジナル(ドラムのみ)

 

●スネア リバーブOFF(ドラムのみ)

 

違いが分かりにくいと思いますが、前者のオリジナルはスネアが全体的に馴染んだ上に少し奥行きがあり、後者のスネアリバーブOFFはスネアが浮いて聞こえるかと思います。

オリジナルだけ聞いてリバーブ音がなっているかはわからないと思いますが、比べてみると全然違いますよね。ここのリバーブ量が多すぎると「風呂場」のようになってしまいます。

浮いてる音が悪いわけではありません。あえてリバーブを使わずドライな音で攻めるのも一つの手です。

 

残響音を出す

リバーブといえばこちらの使い方を想像する人も多いと思います。こちらはリバーブタイムを長く設定して深めに掛けることで、ミックス内に残響音を響かせます。馴染ませる使い方とは違い、こちらは少し意識したら曲中でリバーブ音が聞こえてきます。ボーカル、リード、ピアノ、スネア、キックFX・・・曲によって様々ですが例を挙げればキリがありません。普段聞いてる曲でも様々な使われ方をしているのが分かると思うので研究してみましょう。

リバーブタイムの長いリバーブは聞いてて気持ち良いですが、かけすぎると音全体がぼやけてしまいます。そういったことを回避する方法はまた後日紹介します。

デモ曲での違いを聞いてみましょう。

●オリジナル

 

●ロングリバーブOFF

 

スネアと同じタイミングで鳴らしてるパーカッションにリバーブを掛けていました。差は歴然かと思います。

 

 

積極的な音作りに使用する

この使用方法は上記以外の特殊な使い方です。本来の残響効果とは遠くかけ離れたアグレッシブな音になることが多いでしょう。例えば、オートメーションを書いたり、リバーブのパラメーターをぐちゃぐちゃにしてすごい音をだしたりといったことで表現できます。私が想像しないような使い方をしてる人もいるかと思います。

デモ曲ではループ素材にリバーブのオートメーションを使ってこんな音を出しています。

●リバーブOFF

 

●リバーブON

 

そこまで複雑なことはしてないですが、単純にリバーブをかけるだけでは絶対にこんな音にはなりませんよね。アグレッシブなエフェクタとして使ったことがなかった方は是非一度リバーブで遊んでみて下さい。

 

 

さいごに

基礎編ということでデモ曲紹介と、大まかな使い方3通りをざっくり説明しました。

今後、デモ曲を用いて今回紹介したリバーブの使い方の詳細や、リバーブのパラメーターの説明をしていきたいと考えていますのでよろしくおねがいします。

余談ですが、このデモ曲を使ってミキシング選手権みたいなことしたら面白んじゃないかとツイッターでコメントをもらいました。やってみたいですか?ご意見あれば是非聞かせて下さい。

 

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