リバーブで最低限抑えておくべき5つのパラメータ

リバーブで最低限抑えておくべき5つのパラメータ

リバーブのパラメータは他のエフェクタよりも少し複雑です。私自身リバーブのパラメータひとつひとつをしっかり理解しているわけではありません。しかし重要なパラメータを抑えることで満足の行く音作りが可能になります。この記事ではリバーブのパラメータをポイントを抑えて解説していきます。

はじめに

今回ピックアップする5つのパラメータは下記になります。

  • Decay Time
  • Size
  • Predelay
  • EQ
  • Mix

どのリバーブプラグインでも存在する特に重要度の高いパラメータです。リバーブにはたくさんのパラメータがあると思いますが、最低限これらを理解しておけばミキシングで不自然な残響音を生むことはなくなるでしょう。

この記事ではAbelton Live付属のリバーブで解説していきます。パラメータの細かい違いはありますが、どのリバーブでも同様のパラメータはあるはずですので自分の持っているリバーブに置き換えてみてください。

 

Decay Time

リバーブの長さを決めるパラメータです。

DecayやReverb Timeといった表記をされていることもあります。

リバーブの中でも最もわかりやすいパラメータです。短いリバーブだと100~500msという長さに、長いものだと4s以上に設定することもよくあります。特に難しく考えずに、自分のイメージする長さに設定すれば問題ないと思います。ただし長いリバーブはその残響音で不協和音を生むことがあるため注意して使いましょう。

長いリバーブの場合は、オートメーションでかぶりを回避するか、リバーブのみを書き出してオーディオファイル編集でカットする手があります。

また、BPMから何msが1beatかを計算して設定する方法もあります。この方法により整ったリズムを生み出す事ができます。(私は計算していませんが)

https://www.youtube.com/watch?time_continue=135&v=6bUDjs73UZg

 

Size

シミュレートするRoom Sizeを決めるパラメータです。

RoomやHall、Chamberといったリバーブパターンを選択するものもあります(Sizeとパターンの両方あるものもあります)。

ここを触ることでリバーブの音色が変わります。Sizeが広いと広がりのある滑らかな音になり、狭いとメタリックな雰囲気になる傾向があります。

プラグインによって一番違いの出るパラメータなので、自分の使用しているプラグインはどういう音なのか確かめてみてください。

●Size 100

 

●Size 0

 

 

Predelay

 

初期反射をどの程度遅らせるかを決めるパラメータです。

この値を上げて初期反射を遅らせると、より広いサイズ感を演出できます。

また別の効果として原音のアタックがぼやけずにリバーブを掛けることができます。

自然な範囲だと1~50ms程度で設定する事が多いです。その音をどの位置に持っていきたいのか決めて、ミックス全体を聞きながらちょうど良い値を探ってみて下さい。

極端に遅らせると「ブワッ」というような特殊な音を出すこともできます。

●predelay 0

 

●predelay 50ms

 

●predelay 160ms

 

 

EQ

リバーブ音にEQをかけて調整を行います。

High(Low) Cutといった名前で実装されている事が多いと思います。イコライザーでリバーブ音の音色を調整します。

高音域を削ることによって、なめらかで温かみのあるリバーブ音を作ることができます。より自然に近い音になりミックスで馴染みやすい音になります。基礎編で紹介した「全体に馴染ませる・奥行きを出す」のような使い方の場合は高音域をうまく削る必要があります。逆にアグレッシブなサウンドを演出したい場合は、高音域を削らない(もしくはブーストする)と良いでしょう。

低音域を削ることによって、クリアなリバーブ音を作ることができます。リバーブを掛けると邪魔になる低音域を回避することができます。

リバーブプラグイン内のEQを利用してもいいですし、外部のEQをインサートしても良いでしょう。その場合は、リバーブ成分のみにEQがかかるように注意しましょう。

(Inputに掛けるパターンとリバーブ音に直接かけるパターンがありますが割愛します。掛かり方が変わるので試してみて下さい。)

●EQ off

 

●EQ High Cut

 

●EQ Low Cut

 

●EQ High & Low Cut

 

 

Mix

原音とリバーブ音の比率を決めるパラメータです。

Dry/Wet、または別々でボリュームが設定できるものもあります。

インサートする場合はこの値を慎重に決めなくてはなりません。基礎編で紹介した使い方を考慮して、浅く掛けるのか深く掛けるのか調整しましょう。深くかけるものでもパート毎に濃淡をつけて、よりリバーブ音を表現したいパートに焦点をあてると良いでしょう。

センドトラックとして使用する場合は100%を設定することが殆どです。

インサートとセンドについては別途記事を用意致します。

 

さいごに

数あるリバーブのパラメータの中でもコレだけはというもの5つ「Decay Time」「Size」「Predelay」「EQ」「Mix」を解説しました。これらを理解すれば基本的なリバーブの音作りは問題なく行えるかと思います。基礎編で紹介した使い方と合わせて、かっこいいリバーブサウンドを作っていって下さい。

※参考記事

リバーブを使ったMixと音作り(基礎編)

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