Panの設定とステレオの広げ方について

Panの設定とステレオの広げ方について

Panは音を左右に振り分ける為ステータスのことです。ステレオを広げることとPanを振り分けることは似ているようで微妙に異なる事柄です。そのことについて今回は話していこうと思います。

Panって何?

音が聴こえる位置を意味する言葉であり、日本語では「定位(テイイ)」と呼ばれる。2チャンネルステレオならば左右のどこから音が聞こえるかを指す。パンを中央から右や左に動かす場合、「パンを右(左)に振る」という言い方をする。英語ではパンを動かす事をPanning(パニング)と言う。また、パンポットと呼ばれる事もある。

偏ったDTM用語辞典より

Panとはつまりどの位置から音聞こえるようにするかということです。右の方から聞こえる、左の方から聞こえるというのがそれです。

ほとんどのミキサーに標準搭載されているはずなので、手軽に変えることができます。

Panは基本的に左右の音量を調整しているので、例えば右に100%振ると左から音は聞こえなくなります。

 

Panを振る楽器はハイハット類やFx類が多いです。2~5程度振るだけでも音が横にずれてステレオ感が生まれます。フィルやFx類使う場合はもっと大げさに使ってPanでアクセントを出すこともできます。Panを振るとステレオ感が広がりますが、逆に音が偏って右と左でアンバランスになります。アンバランスにならない為にも加減が重要になってきます。この楽器は左、この楽器は右、この楽器は少し右という風な使い方ではなく、アクセント的に使う使い方が個人的には殆どです。ただし、これはオーケストラ系やアコースティック系ではまた話が変わってきますのでそういうジャンルの方はまた違う視点でPan振りする必要があると思います。

 

ステレオ感って何?

ステレオ感はイヤホン等の2チャンネルの再生機器で聞いたときに左右にどれだけ広がっているかというものです。対義語はモノラルです。

ステレオ感を出す方法はざっくばらんに言うと、似てるけど違う音を左右で鳴らす事です。その方法はいろいろありますが、今回はまた別のお話。過去記事で取り扱っていますので参考にしてください。

Panよりイメージし辛いと思って例を用意しました。上がモノラル、下がステレオです。

 

 

 

ステレオを広げる楽器は主にパッド類、シンセ類全般です。Panよりも雑な感じで良いと思います。

ステレオを広げるとステレオワイドで多幸感のあるミックスになりますが、定位が定まらない不安定なミックスになります。また広げすぎると音が後ろに行ってしまいますので、すべての音を広げるのではなくセンターよりの音も重要となります。

 

Panとステレオ

上記のようにPanとステレオは、両方共ステレオに関係して似ているようですが少し異なっています。

Panはステレオ感を出すこともできますが、それよりもセンターに集まっている音から少しずらすことで音を目立たせるという目的が大きいです。

ステレオ感は音を広げたいか前に出したいかで値を変えます。ステレオに関しては基本的に広げてしまうものが多いので、広げるパートよりも狭める(中央に置く)パートが重要かと思います。

曲の中心となるパートは基本的に中央に配置します。キックドラム、スネアドラム、ベース、ボーカル、メインリードなどです。これらはPanを振らず、ステレオも狭めることが多いです。

 

まとめ

さいごにまとめて終わろうと思います。

Panについて

  • アクセントで使うことが多い。センターから少しずれるだけで音を目立たせることができる。
  • ハット類は2~5程度でも効果あり、Fx類はもっと大胆に使っても良い。
  • 左右でアンバランスになるのでメインの楽器は使わない事が多い。

ステレオについて

  • シンセ類は基本的に広げることが多い
  • キックやベース等曲の中心となるパートは広げない
  • 広げすぎると定位が安定しなくなるのでほどほどに

 

私のミキシングのスタイルとしては、Panはハイハット類やFx類を少し振る程度に留めて、ステレオイメージャーや空間系エフェクトでステレオを出すのが主流です。

人やジャンルによってかなり変わってくる項目なので、好みのサウンドを真似することもオススメです。

 

ステレオ感の広げ方

 

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