目で見るミキシング【ステレオメーター編】

目で見るミキシング【ステレオメーター編】

ミキシングは自分の耳やモニタリング環境に頼ることが多くて難しいですよね。
しかし基本的な事は耳に頼らず、目で分かる事もあります。
目で分かる事は環境に左右されないため、DTM初心者でも自分のミキシングの良し悪しを把握できます。
というわけで「目で見るミキシングシリーズ」の第3弾、ステレオメーター編です。
今回は、地味で難しいかもしれませんがご了承ください。

はじめに

ステレオ関係のメーターはおおよそ大きく分けて2つ、ベクトロスコープと相関メーターがあります。上画像の左枠ドーム状のものがベクトロスコープ。右枠が相関メーターです。

ベクトロスコープは写真のような形のものだけでなく、ひし形なものや丸いものなど形は様々です。(この記事はこのドーム状のもので説明します)見た目通りステレオを表すメーターです。45度の線がそれぞれLとRの線です。つまり、モノラル音は12時、Rだけ鳴っている場合は右45度、Lだけ鳴っている場合は左45度にメーターが動きます。残りの0~45度は逆位相を表します。(逆位相に関しては説明を省きます)

相関メーターは左右のチャンネルが類似しているほど+1に近くなります。つまりモノラルだと1、完全な逆位相だと-1になります。一般的な音は0~1の間に収まります。

モノラル
L
逆位相

 

逆位相

メーターが逆位相を示した場合、一概にその音が良くないとは言えません。しかし、定位が安定しない気持ち悪い音になっている場合や、迫力のない音になっている場合、モノラルにした際(iPhoneのスピーカーや地上波ラジオ等)に何らかの影響が出る場合があります。逆位相を示す音が重要なパートである場合は、一度チェックしてみてください。

 

低域のステレオ幅

高域はより自然にステレオ感を広げることができますが、低域はセンターに寄せたほうが曲全体の定位が安定します。以上を踏まえて、とある2つの曲にローパスフィルタをかけてベクトロスコープを見てみましょう。両者とも4つ打ちのクラブトラックです。

後者の画像のほうがセンターに寄っているのが分かると思います。変化球でステレオ感のある低域を混ぜるのはもちろんOKですが(そもそも低域自体ステレオ感がだし辛い帯域ですが)、メインリフで使うベースはセンターに寄せたほうが無難です。

さいごに

このステレオ関係の項は実用性は薄いかもしれませんが、位相がおかしいと曲全体が気持ち悪くなって品質を損ないがちです。気になった方は自分の曲をチェックしてみてください。

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