ProgressiveHouseの作り方を雑に紹介

  • 2018.12.14
  • DTM
ProgressiveHouseの作り方を雑に紹介

私の音楽のルーツでもあるProgressiveHouseというジャンルの作り方についてざっくり解説していきたいと思います。ProgressiveHouseの解釈はTechnoやElectronicaといったものからEDMと呼ばれるものまであり幅広いですが、今回はメロディックでドラマティックな雰囲気のあるMelodic ProgressiveHouseというジャンルを解説していきます。

はじめに

今回は私の作成したこちらの曲を参考にしていきます。

 

コードの構成(メソッド)

ジャンル柄ロングリバーブを多く用いる事が多いため、頻繁なコードチェンジやノンダイアトニックコードは避けたほうが無難です。

ノンダイアトニックコードを使う場合はしっかり空間系のエフェクタの管理をして使うようにしましょう。

9thの音をうまく使うことでそれっぽい響きのコードが作りやすいです。

 

 

ドラム

 

キック

オードソックスに4つ打ちです。

トランスよりは重くないですが、しっかり低音域が鳴るようにします。

中~高域はあまりアタックを強調せず少しマイルドなアナログライクな音にしました。

キックサンプルを3つ重ねて作りました。

 

スネア(クラップ)

クラップとスネアを混ぜてローミッドの芯を強調しました。

片方だけでも良いですが、クラップのアタック感とスネアの芯の強さとサステインが組み合わさった音が私は好みなのでよく両方をレイヤーしています。

クラップ単体だと非常に抜けが良い心地よい音になる傾向があります。(参考1)

クラップをスネアの数十ms早く発音させるとアタック音が分厚くなります。

スネアの音をレイヤーする時は特にピッチに気をつけると良い結果が得られます。

 

ハイハット

ハイハットに関しては自由にサンプルを選べば良いかと思います。

シンセチックなものか、アナログライクなものか、アタックの遅いシェイカーのものか作っている曲の雰囲気に合わせて選んで下さい。

4つ打ちの裏はメインで鳴らしますが、場合によって16分を鳴らすと曲ののりが変わるので使い分けましょう。このときループ素材を使いことが多いです。

今回の参考曲も裏打ちのハイハットと別で小さくループ素材を鳴らしています。

 

パーカッション

最も自由なパートです。

ドラムの基本は上で紹介したキック・スネア・ハイハットですが、その間を埋めるようにパーカッションを配置していきます。

楽器で言うとボンゴやコンガ・タム等いろいろありますが、参考曲ではゲーム内のSEをパーカッションに用いています。

ノイズっぽいものや声ネタをカットしたものまで本当になんでもいれて良いでしょう。

 

 

ベース

 

 

非常にシンプルなプラックベースです。EQでベースをブーストさせて、サチュレーションもかけたあとサイドチェインをかけています。

サブベースと倍音を分けてレイヤーして音作りすることもありますが、今回はシンプルな音のためシンセ1本です。

レイヤーする理由としては、基音の安定化が一番の理由です。

特徴的なベースの音を出す場合はそれなりにエフェクトを掛けますが、その時にベースの基音まで変化してベースとしての音の安定性が失われることを避けるためです。

プラックベース以外にも、サステインのあるベースを使うことも多いです。(参考2)

 

コードプラック

 

 

Melodic ProgressiveHouseの特徴の1つでもあるコードプラックです。8分で鳴らしてサイドチェインを掛けています。

音作り自体は簡単ですが、アーティストにより音がまったく違ってくるのが面白いポイントです。

シンセの波形、エンベロープ、デチューン、フィルター等のパラメータが少し違うだけで雰囲気がガラっと変化します。

波形はSaw波でデチューンはほぼしていません。

Attackは0、Decayは中程度、Sustainは少し、Releaseは多めで設定しています。

ピッチエンベロープでDecayを極小にしてアタック感を出しています。

画像では見えませんが、ホワイトノイズを小音量でレイヤーしています。フィルターを開けたときの高音のきらびやかさに影響します。

ベースとかぶってもたつかないように、ローカットもしています。

 

フィルターをあける際は直接フィルターを弄るのではなく、EQやエンベロープなどと合わせて複数のパラメータをマクロにアサインして操作しています。

フィルターで音が大きく変化するためそれの挙動に合わせて調整しています。

 

 

メロディ

 

 

ピアノを使用しています。

長めのリバーブとディレイをたくさん使用してトランシーな雰囲気を演出しています。

シンセ等でも同様、ProgressiveHouseではリバーブとディレイを多く掛けることが多いです。

 

 

プラック

 

 

サブメロディのような感じです。

こちらもリバーブディレイを多く使用しています。

コードプラックではフィルターを絞っているため、こちらはフィルターを明けて高音を出しています。

 

 

パッド

 

 

コードではなく単音のパッド音を使用しています。

LFOでフィルターやフェイザーの値を揺らすとそれっぽくなります。独特な音を出したい時はプリセットやライブラリを使うことも多いです。今回はPRISMというシンセを使用しました。

今回は曲中の音量も主張も小さいパッドですが、音圧のあるSaw波でパッドでよりドラマティックな音を演出することも多いです。(参考3)

 

FX

 

 

曲の展開を決めるパートです。

クラブミュージックですので、長めに時間をとるのが好みです。

ディレイとリバーブは非常に長く設定しています。

「コードギターのリバース音」

「Sine波のサブメロディ」

「クラッシュシンバル」

の3つ構成で、それぞれ深くリバーブとディレイをかけています。

リバーブディレイ音にサイドチェインをかけてミックスで邪魔にならないようにしています。

 

 

さいごに

大きくパートを区切って音作りを中心にProgressiveHouseの作り方を解説しました。

パートごとに音を聞く機会はあまり多くないと思うので、参考になれば幸いです。

要望が多ければ細かい音作りについても書いていこうかなと思っています。

記事を読んで作ってみよう思った方は是非チャレンジしてみてください!

 

 

参考曲

参考1

 

参考2

 

参考3

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