先日Native Instrumentsが大きな発表がありました。「NI史上最大のリリース!9つの新製品と大幅にアップデートされた3つのプラットフォーム」と公式が書いているように様々な製品が発表されています。そこで今回は私の視点で、製品ごとに発売前のレビューをしてみたいと思います。
はじめに
まずは公式の情報を載せておきます。
Native Instruments公式特設サイト https://www.native-instruments.com/jp/specials/for-the-music-in-you/
【新製品】革新的な9つの新製品と3つオンライン・プラットフォームの大型アップデートを発表!KOMPLETE、MASCHINE、TRAKTORの5種類のハードウェア、KOMPLETE 12、KONTAKT 6、MASSIVE Xを含む4種類のソフトウェア新登場!詳しくは→ https://t.co/yqaOG5w6Yi #ForTheMusicInYou pic.twitter.com/XB3tSZAnHt
— NI Japan (@Tokyo_NI) 2018年9月6日
ムービーを見た感じ、MIDIコントローラー系の紹介に加えて、他のアーティストとの共同での作業やライブに注力しているように見えます。デバイスを気軽に持ち寄って制作する風景を想像しているようです。
まぁ僕は家のデスクトップPCで寂しく作業するんですけど・・・。
紹介された製品
- KOMPLETE KONTROL A-SERIES
- TRAKTOR KONTROL S2
- MASCHINE MIKRO
- KOMPLETE KONTROL S88
- KOMPLETE 12
- MASSIVE X
- KONTAKT 6
- TRAKTOR KONTROL S4
- TRAKTOR PRO 3
- SOUNDS.COM
- THE LOOP LOFT
- METAPOP
上に載せた公式ツイートでも言ってましたが、上記が今回発表された新製品です。確かに多い・・・!
気になる製品を見ていきましょう。
KOMPLETE KONTROL A-SERIES
Native InstrumentsのMIDIキーボードは前からあったのですが、今回発表されたシリーズはとにかく安い!
私のイメージではKOMPLETE KONTROLは機能多いしカッコイイけど高い…というイメージでしたが、KOMPLETE KONTROL A-SERIESは
25鍵が\18,800、49鍵が\24,800、61鍵が\31,800
つまみやボタンの多さや、DAW・NI製品との連携などの機能が充実していたこの値段は素晴らしいです。今後シェアがかなり増えていく製品になるのではないでしょうか。
私愛用のDAW”Ableton Live”とも連携してくれるらしいので、どこまで便利なのかが楽しみですね。
気になる点としては
- 鍵盤のタッチ
- フェーダーがない
という点でしょうか。
鍵盤のタッチは触ってみないとわかりませんが、一世代まえのNIのMIDIキーボードはタッチが浅めだった記憶があります(違っていたらすみません)。
フェーダーに関しては作曲や演奏ではあまり使用しないからと割り切ったように思います。MIDIキーボードについているフェーダーを使っていた人は響くかもしれません。
KOMPLETE KONTROL S88
KOMPLETE KONTROL S88は前項のA-SERIESのデザインを受けつつ、ピアノ奏者向けに鍵盤のタッチにこだわった製品です。
その分お値段もけっこうしますね・・・。
あと気になる点としては液晶ディスプレイがついている点でしょうか。
NI製品と連動して表示されるようですが、非常に便利なものになっていそうです。
NI以外の製品だとどのような動きになるのかが気になる点です。
KOMPLETE 12
気になる人が非常に多いと思います。総合音源パッケージKOMPLETEシリーズの新作です。
今作は最上位だった”ULTIMATE”より更に上の”Collector’s Edition“が用意されています。これは”ULTIMATE”に加えて追加で50の追加エキスパンションと上位の(?)オーケストラ音源がついてきます。
どんな音源やエキスパンションが追加されたのかはもう既に公式サイトで全てデモが聴けるので聞いてみてはいかがでしょうか。ざっと聞いたところ様々なジャンルをカバーしていてライブラリがとても充実しそうな感じがありました。
特に気になる新製品をピックアップしてみます。
※MASSIVE XとKONTAKT 6は後ほど紹介します。
●TRK01
キック&ベース専用のプラグインという事です。クラブミュージックの土台として手軽に作成を始めるのに一役買いそうです。
個人的にはキック専用の人気プラグイン「KICK2」とのキックシンセサイズの違いが気になっています。もしKICK2並に使いやすいツールだったらかなり頻繁に使うことになりそうです。
●THRILL
デモを聞くとその音だけで鳥肌が立ちそうになるアトモスフィックな音源です。前作11にはあまりなかった方向性の音源ですね。シネマ系やブレイクや飛び道具として使ってみたくてうずうずします。
●KINETIC TOYS
おもちゃっぽい音と幻想的な雰囲気がミックスしているような音源です。FOLEY感のある音も多い感じで最近のサウンドの傾向に寄せている感じがします。Future系やChill系との相性は抜群ではないでしょうか。
●SESSION GUITARIST
KOMPLETEシリーズが弱かったギター系ですが、12でついに本格的なギター音源が実装されました。ギター音源に困っていた人には朗報ではないでしょうか。
SESSIONシリーズなので演奏パターンを指定するようなプラグインになっていそうです。
●EXPANSIONS
ジャンルに特化したプリセット、ドラムキット、サンプル、ループなどがパックになっているらしいです。音はデモで聴けるのですが、実際どのような仕組みになっているのでしょうか?使ってみるまでわからないので気になる部分です。
使い勝手次第で一番上位の”Collector’s Edition”の購入に関わってきそうです。
NI製のMIDIコントローラー(KOMPLETE KONTROL A-SERIESなど)を購入していれば、間違いなく使い勝手が良いものになっているでしょう。
●MOD PACK、CRUSH PACK
モジュレーションエフェクタと、ビットクラッシュ系のエフェクタをどどっと追加してきました。
つまみは少なく、直感で使用していけるプラグインエフェクタになっているようです。
こういった手軽なエフェクタは新たな発想にも直結するのでありがたいですね。
デモを聞いた感じ「単純なビットクラッシュエフェクト」等ではないので速く試してみたいです。
新製品全体的に今までなかったような部分をうまくついていて素晴らしいですね。
MASSIVE X
個人的に一番の注目製品です。というか皆さんもそうですよね?
超王道革命的ソフトシンセ「MASSIVE」の後継ということで注目せざるを得ません。
「伝説の再誕」「新世代のサウンドエンジン」などすごい触れ込みでデモ動画の音もすごい迫力ですね。
NI製のシンセはどれも素晴らしく、今回のMASSIVE Xも間違いないでしょう。
詳細はまだ発表されていなく、ティザームービーで一瞬だけ出た下のシンセ画像が唯一の情報です。
初代MASSIVEとはUIの雰囲気は大分かわっていますが、わかりやすい設計になっています。
左上2基のオシレーターと思われる部分がもうすでにすごい存在感があってツマミもたくさんあります。上段中央のフィルターを通って、右上がアウトプットに繋がるでしょう。
下段はエンベロープやステッパー?のようです。右下はなんでしょう?う~ん、気になる!
MASSIVE Xは今回発表された製品の中ではすこし遅めのリリース(2019年2月予定)となっているのでご注意ください。
KOMPLETE 12には付属していて、リリースされしだいダウンロード可能になるみたいなのでご安心ください。
(おまけ)
MASSIVE X ここめっちゃ乾燥パスタ pic.twitter.com/ilv7NuRwHk
— ぷる@ブログ始めました (@purupan) 2018年9月6日
KONTAKT 6
超定番サンプラーの新バージョンがリリースされます。
使用する際の使い勝手はもちろん、製作者や今回発表された新製品との連携にも影響されるようです。
KONTAKT 4から5に変わったときもそうでしたが、問題点として互換性まわりがあります。
KONTAKTはNIだけでなくサードパーティの音源ライブラリでも非常に頻繁に使われるサンプラーなので互換性からは目を背けられません。
サードパーティのライブラリを使用している人は今後どのように対応していくのか注目しておく必要があるでしょう。
DJ関係
多くのDJに愛用されている「TRAKTOR」及び「TRAKTOR KONTROL」も新シリーズが発表されました。
UIやFX、サウンドクオリティ等が一新されているようですが、果たして・・・?
オンライン・プラットフォーム
SOUNDS.COMとTHE LOOP LOFTはサウンドライブラリのプラットフォームです。
SOUNDS.COMはしばらく前からベータ版が運用されていましたが、今回改めて発表という形になりました。月額制でループ・サンプルがダウンロードできます。同様のサービスに「Splice」がありますが、SOUNDS.COMはNIが得意なライブラリ管理やNI製品とのリンクが鍵になりそうです。
今後有名アーティストのライブラリが充実してきたら、Spliceから移動する人も出てきそう・・・?
THE LOOP LOFTは昔からあるループ販売サイトでこの度NI傘下になったようです。こちらはアーティストの演奏したループ素材が注目商品です。サンプルパックとはすこし雰囲気が違うので、リアルな演奏系のオーディオ素材がほしい時は頼ってみていいかもしれません。
そしてもう一つのプラットフォームがMETAPOPです。冒頭の動画でも推されていたミュージシャン同士のコラボレーションやコミュニケーションプラットフォームです。実際に使用してみないとわからないことが多そうです。ただNI自身が推しているため今後様々な展開が見込めそうです。リミックスコンテンストも開催されるようでここにも注目です。
さいごに
「NI史上最大のリリース!」というだけあって情報量がすごかったです。
私もNI製品はよく使用しているので、実際のリリースが非常に楽しみです。
気になる製品があればデモも全て公式サイトにアップロードされているので試聴してみてはいかがでしょうか。