Massive Xの良いところ悪いところ

  • 2019.06.30
  • DTM
Massive Xの良いところ悪いところ

つい先日待ちに待ったMassive Xがリリースされました。MassiveといえばDTMをしている人なら誰でも知っているであろう有名なシンセサイザーで、そのパワフルなサウンドとユーティリティの良さで一世を風靡しました。そのMassiveの後継機ということで非常に期待が高まっています。そこで実際に触ってみて感じたことを簡単にまとめてみたいと思います。

良い点

出音の良さ

音がとにかく良い…というか太い!どれくらい太いかというと、開発がユニゾン6で十分やろwって6しか実装してないくらい太いです。(実際そういう意図かは知らないですが)

他の波形もざっくり聞きましたがどれも良い音がします。

基本の出音が良いということは、複雑にエディットした音でも何しても音が良いということです。シンセの基本中の基本のオシレータ部分に関しては十分な性能かと思います。

 

強烈なオシレータと変調

標準搭載されているオシレータ波形だけでも面白いですが、オシレータのすぐ下にあるBendやSync等波形に変化を加える部分が非常に強烈で面白いです。

よくあるBendやMirror、Hardsyncから、Gorillaなんていう明らかにやばそうなやつまであります。

大きなカテゴリは10種類しかありませんが(それでもMassiveと比べたらすごい量です)、その中で細かい設定もできるため他のユニークなソフトシンセと肩を並べるには十分でしょう。

170種類以上のユニークな波形と、10種類の変調モードでどんな音が今後開発されていくのか楽しみですね。

 

豊富なノイズ波形

ノイズ波形も面白い音がたくさん入っています。

ピッチ変更もできるので、ノイズとフィルタを合わせるだけでも面白いFXを作ることができます。

今までとは違ったテイストのFXサウンドやノイズサウンドを作るにもばっちりかと思います。

 

クオリティの高いフィルター

シンプルなBlue Monarkフィルターはとても良いローパスフィルターだと思います。

Combフィルターはノートの高さで音を作れる点がGoodです。

他にもユニークなフィルターが搭載されています。

種類こそ多くなものの、洗礼された質の良いフィルターが揃っていると感じました。

Massiveの中にあるみんな大好きDual NotchもちゃんとMonarkの中にあります。

 

量と質両方兼ね備えたエフェクタ軍

エフェクタの量がとにかく多いです。大きいカテゴリでも基本的なものからユニークなものまでたくさんあって、更にその中で細かいバリエーションがあります。

例えばリバーブなんて17種類あります。リバーブプラグインかよってレベルです。

他のシンセと比べてもここのエフェクター軍の質はかなり上位かなと感じました。

Performer・LFO・モジュレーション

自由に波形がかけるパフォーマーと、細かい調整が可能なLFOが搭載されています。

Serumに慣れているユーザには物足りないかもしれませんが、個人的にはランダムLFOが面白いなと思いました。

個人的にランダム要素がとにかく好きなのでいろんなパラメータに入れて面白い音を作ってみたいと思っています。

 

悪い点

Serumに慣れた人には物足りないかも

今人気のシンセといえばまずSerumの名前が挙がるでしょう。そんな自由に波形を作ることができるWavetableシンセのSerumが普及している中だと、たくさんの波形と変調ができるとはいえ、比べてしまうとやはり自由度は劣ってしまうのは否めません。

エディットの幅は少ないかもしれませんが、出音の良さで差別化していきたいところです。

見づらいモジュレーション

パッと見は良いかもしれませんが、少し使ってみるといろいろ不便に感じる部分が出てきます。

ADSRがグラフィックで表示されない(初代MassiveやSerumにはあるのに)。

LFOもグラフィック表示がない。

Rateの数字表記がない。

マトリックス表示がない。

という感じで使いづらく感じました。

 

低音のノートが演奏されない

デフォルトの設定だと低音のノート(C0~B0)が演奏されません。

画像の部分からRemoteという設定をオフにすれば通常通りになるのですが、これがデフォルトで演奏されないので最初かなり困るかと思います。

 

地味に使いづらいルーティング

自由にルーティングを組んで自由自在・・・というタレコミですが微妙に手が届かい部分が。

空間系エフェクタがあるXYZの部分だけなぜが別枠で固定されています。これが何を意味するかと言うと、空間系に直接フィルターやディストーション等がかけられないということです。普通はそういったことをすることは少ないですが、必要になったときに「あ、これできないんだ」という風になってしまいそうです。

ルーティングに関連して、Serum等にはあるサブオシレータというものもMassive Xには搭載されていませんが、ルーティングで組むことができますがやはりこれも一手間かかってめんどくさいです。

 

みんな大好きDimension Expanderが…

MassiveでもSerumでも皆大好きDimension Expanderの音がガラっと変わっています。

すごいおとなしい音になっていて初代Massiveのあの感じを出すことはできないでしょう。

でも実は初代MassiveのDimension Expanderって結構雑な音なのでこっちのほうが今風の音になるのかもしれません。

Dimension Expandar自体の種類も4つあり、リバーブの種類もたくさんあるので今後どういう流行りになっていくのかも注目ですね。

 

さいごに

ざっくり今回のポイントをまとめると

pros

出音が良い
フィルタも良い
変調やエフェクタいっぱい

cons

Serumに比べると自由度が低い
ところどころ使い辛い

と私は感じました。

悪い点もいろいろ書きましたが、とにかく音が良いので今後私もどんどん取り入れていきたいと思っています。シンプルで目立たせたい音はとりあえずMassive Xでやってしまえば良いのかなと思っているくらいです。

まだリリースされたばかりなので、Massive Xの進化と、アーティストのMassive開拓の両方が今後どうなっていくか楽しみですね。

ぷるれこでもMassive Xについて今後も取り上げていこうと思っています。

 

 

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