Ableton Live Tips 008 新ツールPack「Creative Extensions」 その2

Ableton Live Tips 008 新ツールPack「Creative Extensions」 その2

 

前回の続きでAbleton Liveの新Pack「Creative Extensions」を触っていきます。ユニークなオーディオエフェクトやシンセは触っていてとても楽しいです。それでは早速見ていきましょう。

Re-Enveloper

(日本公式の説明文が誤っているので、引用は省略)

マルチバンドのエンベロープ管理ができるエフェクタです。

マルチバンドなので「この帯域だけシャープにしたい」だとか「この帯域だけアグレッシブにしたい」という事が実現可能になります。

見慣れない「C/E Fact」はCompressorとExpanderどっちに寄せるかみたいなパラメータです。Ratioに近いのかな?凄く音が変わります。

 

似たようなエフェクタにMultiband Dynamicsがありますが、それと比べると触るパラメータが少なく音の変化が顕著です。

細かいリリース調整や、コンプ感が欲しい場合はMultiband Dynamics。

トランジェント管理やアグレッシブなサウンドが欲しい場合はこのRe-Enveloperが活躍するのではないかと思います。

●ループ素材

 

●キック(低音)のみトランジェントを効かせる

 

●ハイ寄りにトランジェントかける

 

●ローミッドのリリースを強く

 

 

Spectral Blur

リバーブのようなサウンドとテクスチャーを作り出すSpectral Blurは、設定した周波数帯域をぼかすことで、深くたちこめるサウンドを生み出します。狭い周波数帯域に設定して鋭くフィルターをかける効果を得たいときや、帯域全体にサウンドを拡散したいときに役立つエフェクトです。

ぼかした音粒の長さを変更する[Halo]、ドライ音のレベルを調節する[Residual]、ウェット音を抑制する[Freeze]といった操作子を搭載。

一風変わったリバーブエフェクタです。

単純な音作りとしても、上々のリバーブサウンドから一風変わったフィルタリングサウンドを作ってくれます。

しかしやはりオートメーションを書いた時の変化に光るものがあると感じました。

パラメータで1つ言っておく項目があるとすれば[Residual]についてでしょう。公式では「ドライ音のレベルを調節する[Residual]」と表記されていますが、単純なドライ音ではなくFreqの指定範囲外のドライ音が出ます。

つまり、Freqの指定範囲内のみでリバーブ音を響かせ、指定範囲外はドライ音が鳴るというなんだかよくわかない事が起きます。よくわからないということは、面白い音が出るんです。Good。

下のデモはオートメーションでパラメータを変化させました。2つありますがオートメーションは全く同じです。違いは、画像左下の「In」と「Out」のみです。

「In」と「Out」というのは指定した周波数の内側をぼかすか、外側をぼかすかの違いかと思います。

音作りの幅が凄く広がりそうですね。

●In

 

●Out

 

 

さいごに

サウンドを交えながら「Creative Extensions」に収録されている合計5つのオーディオエフェクトを紹介しました。

共通して言えるのが、パラメータが簡略化されていながら、サウンド変化が楽しめるという事です。

私も今回紹介したエフェクタをどんどん使用していきたいなーと思っております。

「Creative Extensions」には紹介しなかったMIDIエフェクタ1つとシンセ2つが収録されていますので、気になった方は是非そちらも触ってみて下さい。

 

公式サイトと動画は下記から。

●Ableton Creative Extensions

https://www.ableton.com/ja/packs/creative-extensions/

 

 

 

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