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マスタリング

マスタリングとは

投稿日:2018年5月10日 更新日:

マスタリングとは?と聞かれたら何をイメージしますか?マキシマイザー等のエフェクトを刺して音量を上げる事をイメージする人が多いかと思います。それは正解ではありますがマスタリングの一部でしかありません。ついつい忘れがちなマスタリングの基本・考え方についてお話したいと思います。

不快な音を減らす

大きすぎる高域、不自然なダイナミクス、不快なピーク音、落ち着かない定位といった2mixでの問題を解決します。この問題を解決しないままマキシマイザーで音量をあげると、視聴者の耳が悲鳴を上げることは間違いないでしょう。この考えがマスタリングで最も重要であると私は考えています。

エフェクタで処理仕切れない音は、オートメーションを書いて対応する場合もあります。ボリューム、もしくはEQのGainを調整する場合が多いです。

また2mix製作者と連絡が取れるのであれば、ミキシングまで工程を戻す事も効果的です。マスタリングでの処理では限界があり、過剰な処理を行うと原音を破壊してしまいます。EQで2dbより大きな処理が必要だと感じだ場合、ミキシングを見直すことも一考してください。

使用エフェクター例

  • EQ
  • Compressor
  • Stereo Imeger
  • MB Compressor

 

音を良くする

低域に迫力を出したい、高域をきらびやかにしたいといった、元の音にスパイスを加えるようなエフェクタの使い方をします。音の変化が気持ちよくなってついついノブを回しすぎてしまいますが、原音と大きく違ってしまったり、音割れを起こしてしまいがちです。またそのエフェクタが改悪になってしまうケースも存在します。そうならないようにこのエフェクトの使い方では特に慎重にパラメータの設定を行いましょう。

使用エフェクター例

  • EQ
  • Compressor
  • Stereo Imeger
  • MB Compressor
  • Exciter / Saturator
  • Maximizer / Limiter

 

一貫性を持たせる

個々のトラックが1枚のアルバムを通して一貫性を持たせる必要があります。ボリューム感(音圧)・ステレオ感・サウンドのキャラクターといった要素が関係してきます。視聴者が1曲終わる毎にボリュームを調整しなければならないアルバムは御免ですよね。

曲間の調整もマスタリング工程で行わないといけない場合が多くあります(経験上、曲間を考慮した上でマスタリングに上げてもらったケースは極稀です)。長すぎず短すぎず、アルバム内で一定の曲間を持たせて一貫性を持たせましょう。また、曲の開始部分と終了部分は無音であることが望ましいです。無音でない場合にはプツッとノイズが発生してしまいます。開始部分の無音は0.2秒もあれば問題ありません。

 

規格の統一

マスタリングの最終工程になります。音声ファイルにも様々な形式や解像度がありますがそれを統一させる必要があります。特にCDの場合16bit/44.1kHzでなければなりません。その他ウェブ等での流通の場合はその限りではありませんが、同じ形式で揃える事が望ましいでしょう。

同じファイル形式でも32bitであったり48kHzであったり、解像度が違う場合があります。数字が大きければ解像度が高いわけですが、その解像度を劣化させて同じ規格に揃えないといけません。そこで登場するのがDitherです。Ditherについて詳しい説明は省きますが、最終的にDitherをかけてファイルの規格を統一しマスタリング完了となります。

マスタリングとは関係ありませんがDitherについて1点だけこの場で伝えたいことがあります。Ditherは同じ2mixに1度だけ掛けることが望ましいとされています。つまり、マスタリング提出前の2mixにDitherを掛けていないか是非チェックしてみてください。DAWのエクスポート設定でDitherがONになっていたりしたらOFFにしましょう。DAW内で設定してある作業ビットレートでそのままエクスポートするとより良い2mixを作ることができます。

Ableton Liveの場合は画像の赤枠部分で設定できます。Abletonの内部は32bit処理されているため、赤枠の設定でビットデプスの変化による音質劣化を防ぐことが出来ます(マニュアルでも推奨されています)。他DAWの方は是非一度マニュアルを確認してみてください。

ディザーは、オーディオファイルに対し一回以上適用するべきではありません。レンダリングされたファイルにさらに処理を行う予定の場合、この段階でのディザーの必要性を回避するため、32 ビットにレンダリングするのが最善です。(Ableton Live User Manual)

 

さいごに

今回はマスタリングの基本や考え方についてお話させて頂きましたが如何だったでしょうか。意識していなかった方や、知ってたけど忘れてしまっていた方になるほどと思って貰えたならありがたいです。実際の手順については順次記事にしていきますので今後共よろしくお願いします。







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執筆者:


  1. 音楽マン より:

    ディザーはマキシマイザーより後にかけるのですか?それによってクリッピングが生じることはないのでしょうか

    • purupan より:

      ディザーは一番後にかけます。ディザーとはあえて軽いノイズを加えてビットレート変換時のノイズを抑えるものですので、そのあとにマキシマイザーをかけるとディザーのノイズも大きくなってしまいます。ディザーの機能がついているマキシマイザーも存在します。ディザーによるクリッピングする可能性はあります。そのため0.3~1db程度でマージンをとってエクスポートすることが多いです。

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