CDやコンピレーションのマスタリングの場合、10曲以上を同時にマスタリングすることが多いと思います。そういう時に予めマスタリングの工程を手順化・効率化しておくことでスピーディーでかつ安定したクオリティでマスタリングを行うことができるようになります。そこで今回はマスタリングの効率化についてのTipsを紹介していきたいと思います。
マスタリング前のファイル統一
マスタリング前にファイルを統一しておくと、エフェクタの掛かり方をパラメータを弄らずともある程度統一化できます。
次の紹介するプリセットと組み合わせる事でパラメータを変化させる量が少なくなり、マスタリングの速度が上がって品質も毎回初期段階からある程度似せることができます。
具体的にはマスタリング前の2mixファイルに対して
- ノーマライズ
- アップコンバート
を行います。
■ノーマライズ
最大音量を0dbにすることをいいます。
これを整えると前述の通り、エフェクタの掛かり具合を統一させることができます。
ただノーマライズの場合ピークだけで判断するので、DAW内でエフェクタを掛ける前にボリューム調整することをしても良いでしょう。
■アップコンバート
アップコンバートは、ビットレートとサンプリングレートを上げることです。
アップコンバートの方法は該当のソフトウェアを使用することで行うことができます。
ソフトウェアによって違いがありますがそこまでシビアに考える部分でもないと思っております。
私はiZotope Ozoneを使用して96kHz/24bitにアップコンバートして作業しています。
(Ozoneで32bit書き出しを行うと何故かDAWで読み込めなくなるので、もともと32bitのファイルは変換していません。助けてiZotope様~)
フリーウェアならばSound Engineで行うことができます。(他に便利なソフトウェアがあるかもしれません)
アップコンバートによって、エフェクタの掛かり方が少し変わってきます。レートが高いほどきれいにかかるように感じます。
(※レート変換周りはすごいシビアで、個人だけではなかなかコレといった正解を名言しにくいです。レート周りの話は参考程度に収めて頂けると幸いです。有識者の意見があれば非常に助かります。。。)
プリセットを組む
マスタリングで使用するエフェクタのルーチンを保存しておくと、ルーチンの固定化とインサートの手間省略ができて効率化できます。
Abletonの場合は「Audio Effect Rack」にマスタリング用のエフェクターを刺してプリセット保存すればOKです。
他のDAWで同様の機能がなければ、マスタリング用のプロジェクトを用意するといったことで代用が可能と思います。
エフェクタのルーチンについては「マスタリングの手順・処理の順番」の記事を参考に、各自のプリセットを組んで見ればと思います。
メーターの確認
RMSメーター・ラウドネスメーター・スペクトラムアナライザーを用いてその数値や形状を確認します。
自分のなかでの指標を決めておいて、それにある程度近づけるようにマキシマイザやEQの設定を行うと狙った品質に素早く持っていけるでしょう。
例えば
「ラウドネスメーターは-7LUFS程度、音圧高めは-6程度」
「アナライザーで低域と高域がある程度同じくらい出てる」
というような指標です。
ここでの注意点が
- メーターの種類やメーターの設定で見え方が変わる
- メーターの数字ばかり頼らず最終的には自分の耳で判断する
という事です。
この2点を忘れないようにして、大雑把な指標としてメーターを有効活用すれば良いでしょう。
さいごに
マスタリングの効率化についてお話させて頂きました。
曲数が増えるほど「早さ」と「品質の安定化」が求められますので、今回紹介したことを実践してみてよりよいマスタリングを実践できるようにしましょう!
途中でも触れましたが、ビットレート周りは本当にどれが本当の正解なのか確証がもてません・・・。参考にして頂いて良いですが、間違っている可能性もあるので…プロの方…ご教授を…。
実は今日そういった事に関しての参考書を買ってきたのでまた機会があれば紹介させていただきたいと思います。