BMSの作り方part1(作曲編)

BMSの作り方part1(作曲編)

今回から複数回に渡ってBMSの作り方についてフォーカスして記事を書いていこうと思います。まずpart1ということでBMSとはという話から、BMSならではの曲作りにおけるポイントをまとめようと思っています。

BMSとは

PCで動作するフリーの音楽ゲーム(音ゲー)のひとつです。

K○NAMIのアーケードゲーム「Beatmania IIDXシリーズ」を模した形になっており、BMSプレイヤー(BM98、LunaticRave2等)とBMSファイル(曲・譜面データ)を用いることでプレイできます。そこで用いる楽曲は今でも多くの作曲家自信によって作られていて、BMSがきっかけでプロの作曲家になった人も少なくなりません。

BMSの特徴はなんといっても「音ゲーを自作できる」という点であると私は考えます。音楽を作って、譜面を作って、映像をあわせて、それを自分で作って沢山の人に遊んでもらえるというのはBMSが一番です。

そんなBMSの作り方についてこれから執筆していこうかと思います。

プレイの仕方については自分で調べてね

 

BMSの作り方手順

「作曲→音切り&譜面仮置き→譜面作成」

この流れで作成する人が多いかと思います。

「作曲」はその名の通り曲を作ります。どんな曲にしてどんな譜面にすればプレイしていて楽しいかということを考えながら作ると良いでしょう。

「音切り」は音を一つ一つに切り分けていく作業です。Beatmania IIDXと同じく、BMSは打鍵時に音が鳴ります。そのためドラムの1音やピアノの1音それぞれ細かく出力しなければなりません。大規模なプロジェクトになると1000個以上もの音を用意することも。これについては便利なツールもあるので音切り編で紹介します。

「譜面仮置き」は音切りで準備した音を並べて曲になるようにします。音切りツール仕様上、音切りと同時にしたほうが効率が良いので同じ手順でカウントしています。

「譜面作成」は仮置きした音の中から、実際にプレイ中に打鍵する音を選んで並べ、譜面を完成させる作業です。

この4つの工程でBMSは完成です。

この手順の中に入っていないのは「ムービー(BGA)」です。これに関しては任意のタイミングで自由に作っても大丈夫です。ムービーを他者に依頼する場合は曲を早めに完成させて依頼することが望ましいです。〆切の1ヶ月以上前には仮でもよいので楽曲を渡しておくべきでしょう。依頼自体はもっと早めにしておくのが良いです。

 

BMS曲を作る時の注意点

BMSは「音切り」という独特の工程がある故に作曲時にそれを意識しないとめんどくさい事になります。その注意点を意識しながら曲を作ることが重要です。

リバーブ・ディレイはまとめてSendトラックへ

リバーブやディレイといた残響が残るエフェクタはSendトラックへ送ってBGMとして別でまとめて出力したほうが良いです。

残響の影響で音切りがやりにくかったり、響きが大きく異なってしまう場合があります。

「残響を含んだ音を叩かせたい」という場合以外はSendでまとめて管理したほうが圧倒的に楽になります。

オートメーションはなるべく使わない

フィルターの開閉や音の強弱、変化を取り入れることは良いことですが、BMS作成に限っては音切りの量がめちゃくちゃ増える行為です。

例えば、4音のコードを16回鳴らすにはBMS上4音だけで足りますが、その16回の音が徐々にフィルターで変化する場合4×16=64音必要になります。この部分をBMSで再現するだけで64回も似たような音を出力しないといけません。他のパートや他の展開を考えるとぞっとします。

展開やキメのポイント等絶対に使ったほうが良い部分以外ではなるべく使わないほうが無難です。

MIDIのベロシティやノートの長さはなるべく統一する

理由は上記のオートメーションの項と同じです。なるべく音切りを楽に済ませるためにも必要以上の細かい打ち込みは制限しましょう。

コンプレッサー・リミッターには注意

コンプレッサーやリミッターはご存知の通り音のピークで動くエフェクタです。

単音しか鳴らないトラックでは良いですが、和音がなる場合と単音でなる場合のコンプレッサーの挙動は変化します。

和音を使うトラックや複数トラックをまとめたバストラックに用いるバスコンプは、なるべくコンプレッサーを使用しないようにすると音切り後の音の変化が少なく済みます。

ドラムサンプラーを使う

ドラムはDAW上にオーディオサンプルを直接貼り付ける人もいるかと思います。

そういう人はBMS作成時だけはドラムサンプラーを使用することをオススメします。

その理由は、譜面仮配置の際にMIDIを用いることで楽に作業を済ませられる為です。

一応譜面仮配置の際にもコピー&ペーストで作業もできますが、MIDIを使ったほうが圧倒的に楽なのでこちらをオススメします。

トラックを整理する

BMSはすべてのトラックの音をひとつひとつパラアウトしないといけません。そのためチェックをしていて「なんか音足りないな・・・あ、この音出力忘れてた」なんてことがざらにあります

そういう事をなるべく減らすためにもトラックを整理しておくと良いでしょう。

最低限「ドラム・インストゥルメンタル・FX・BGM」の4つくらいで分けておくと後々楽になるでしょう。

さいごに

今回はBMSについてと、作曲時の注意点を紹介しました。

BMSならではの注意点なんかは意識しないと後々めんどくさいことになるので、BMSを作ったこと無い方は是非一度目を通して下さい。

次回は音切り編でございます。

関係ないですがApex楽しいですね。

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