今回は弊曲Grimheartのイントロを題材にして、ピアノを切り刻んで作るFXについて紹介したいと思います。ピアノに限らずどんな音にでも応用が効くTipsなので知っておいて損はないかと思います。
細かく切り刻んだり、音を変化させたいときはまずオーディオ化することをオススメします。
オーディオ化したほうが作業が楽ですし、なによりこういった音はオーディオ化しないと作ること自体が難しいです。
Grimheartではピアノのイントロをいじってfxにしています。
トゥルルルルルというような音が一番基本的な形です。
コツ1として、元のピアノの音はしっかりボリュームをゼロにしましょう。画像で書いてあるオートメーションはボリュームのものです。ボリュームのオートメーションを書いてfxの方が鳴っているときは音量をゼロにしています。
コツ2としてオーディオの間に隙間を作ると切れた感じが演出できます。この手法は普通のMIDI打ち込みでもよく使われる手法です。ベースやリードの歯切れを良くしたいときにはMIDIノートの隙間を開けてみるのもひとつの手段です。
オーディオ編集とは別で、このトラックにはBitCrusherというエフェクターを軽くかけています(AbletonのReduxというエフェクタです)。これで元のオーディオとは違うざらついた感じを出しています。
画像の一番右のサンプルだけ波形のギザギザが荒く見えると思います。これは無理やりオーディオを引き伸ばしているからです。
オーディオのサンプルではかなり分かりにくいですが、こういったfxの作り方もあるんだなということで紹介しました。
Ableton Liveでは下画像のようにマーカーを2つつけて、片方のマーカーを動かせば簡単にオーディオを引き伸ばすことができます。引き伸ばした後のサウンドの鳴り方の種類は少し変えることができます。詳細はいずれ。
上で紹介した「基本」のやつとオーディオの並びはほぼ一緒ですが、サウンドは違います。fxの1つ目は1オクターブ下げて、最後の音は1オクターブ上げています。低い音→同じ高さのトゥルルルル→高い音と並んでいます。
オーディオの音の高さを変えると、再生時間が変わったり音の劣化が起きますが、fxではそれを良い部分と捉えることもできます。
この音は単純にピアノのコードを逆再生しただけです。逆再生もといリバースはあらゆる音に対して行われることが多いです。キックドラム、クラッシュシンバルなんか特に頻出かと思います。
そのリバース音をインストゥルメントをオーディオ化したものから作って、fxとして利用するとアクセントとなっておもしろいです。
この音は長い音をそのままリバースしていますが、オーディオを一度刻んでから一つ一つ細かくリバースしても面白いでしょう。(下画像)
Grimheartという曲を題材にしてfxの作り方の一部を紹介しました。fxは一番何をしても良い部分なので引き出しは多ければ多いほど良いかと思います。その引き出しの一部として今回紹介した知識を加えて頂けたならば幸いです。
ついでにはなりますが、このGrimheartという楽曲がスマホ音楽ゲーム「Arcaea」に集録されました。是非遊んでみてください。