ロングリバーブは曲の雰囲気を演出するのに欠かせません。ただしロングリバーブは適切な処理をしなければミキシングで非常に厄介な存在になります。透明感のないごたついたミックスになってしまわないようなTipsをご紹介します。
低域のリバーブ音が原因でもたついたミックスになってしまうことがよくあります。そういった場合はおおよそ100~300Hz付近でローカットしてみましょう。特にピアノやコードスタブ、スネアなど少し低域が出ているパートは注意してみてください。
リバーブにEQを使う場合、リバーブプラグイン内のEQを使うか、センドリバーブトラックでリバーブのみにEQを使いましょう。そうしなければ原音にもEQが掛かってしまいます。
センドリバーブの使い方や効果についてはこちらの記事を参照下さい。
低域のカットとは逆に高域をカットすると、あらゆる楽器の倍音でごたついている高域を解消する効果があります。これは音作りの段階で行うことも多いですが、高域が飽和していたりする場合は試すと良いでしょう。
余談にはなりますがリバーブに限らず、ハイカットをあまりせずに高域がぐちゃぐちゃになっているミックスが多く見受けられます。必要でない高域を削るミキシングをしてみるとまとまりのある聞きやすいミックスになるでしょう。
リバーブにイコライザーをかけるとどのような音になるかはこちらの記事で紹介しています。
長いリバーブが尾を引いてミキシングの邪魔になってしまうケースも存在します。曲の展開の部分やフィルイン等の時は特にこのテクニックを使うとよりキレの良いミックスになり重宝するでしょう。
2通りの方法を紹介します。
ひとつはオートメーションで対処しましょう。インサートの場合は、リバーブのWet音をオートメーションで0%にして下さい。センドリバーブの場合は、センドトラックの音量をオートメーションで無くしましょう。
もうひとつは、オーディオで書き出し(またはフリーズ)した後に不要な部分をオーディオ編集でカットする方法です。
アコースティックな楽曲では用いないTipsかもしれませんが、楽器数が多く展開が派手なポップスやクラブミュージックでは頻繁に用いるかと思います。
これはインサートではできない方法です。リターントラックのリバーブにサイドチェインをかけます。ベースやパッドで用いる理由と同じで、主にキックとのかぶりをなくすことができます。
注意することは、リバーブの響きが不自然にならないように薄くかけることです。リバーブを深くかけたいが、ミックスの邪魔になってしまうという場合はサイドチェインをかける方法を試すと良いでしょう。
また逆にリバーブにもサイドチェインを深くかけて、わざとサイドチェイン効果を目立たせる方法もあります。頭の片隅にでも置いておいて下さい。
このTipsはより目立たせたいパートがある場合に用いると良いでしょう。EQで高域をブーストすると、ごたつく中域を邪魔せずにリバーブ音だけを目立たせることができます。
またこれをリバーブのステレオサイドの音にのみ使用するとステレオ感を増すこともできます。
今回はリバーブに関するミキシングTipsとして下記5つを紹介しました。
ロングリバーブは深くかけると心地よい響きと空間を演出できますが、深くかけるほどミキシングが困難になります。今回紹介した5つのTipsを使ってよりきれいなミキシングを目指してみて下さい。
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役立つTipsです!記事化、ありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。感謝します。