マスタリング時によくお世話になるツールのひとつにRMSメーターというものがあります。どれだけ音圧が出ているかを、耳だけでなく数値として確認できるため重宝します。しかし単純に数値を見るだけだと勘違いを起こす可能性もあるツールですので、ここで少し解説させて頂こうと思います。
RMSの値はメーターの種類や設定によって変化します。これはRMSの算出方法がメーター毎に異なるためです。
実際に、Peak-12.0dbのSine波で比べてみましょう。
それぞれメーターのデフォルト設定ですが、数値が異なっていますね。
つまり、「RMSは○○くらいが良いです」と誰かが言っていたとしても、使っているメーターがわからないとまったく意味がありません。
RMSメーターを正しく指標に用いたい場合は、メーターの種類や仕様を把握するようにしましょう。
もっとも確実な方法は、自分でリファレンスを用意してメーターを確認することですね。
実は私、RMSメーターほぼ使っておりません・・・。
音圧の指標としてRMSの他に、「ラウドネス」というものが存在しており、私はこちらをよく使用しています。
ラウドネスとは、簡単に言うと人が感じる音量感を表したものです。
ラウドネスには規格が定められており、最近ではYoutubeやSpotifyでラウドネスを基準に自動で音量を調整する機能も実装されていたりします。
実際にRMSとラウドネスの違いを見てみましょう。
上の画像がSine波、下の画像がPulse波です。RMSを同じ値に調整しています。
RMSは同じなのにLoudnessが1db近く違いが出ています。
ここで伝えたいことは、RMSが同じでもLoudness(人の感じる音量感)に差があるということです。
波形上でRMSやピークが同じでも、人が煩いと感じる3kHzと音量を感じにくい50Hzでは違いが出てきます。
RMSメーターだけ見ていると、RMSはだいたい合わせたのに曲によって小さく感じたり大きくかんじたりすることが多くなる可能性があります。
RMSメーターだけを使っていた人は是非ラウドネスメーターも試してみてください。
フリーだとこちらがオススメです。
ラウドネスに関してはこちらのサイトを参考にさせて頂きました。
よく指標に上がるのがRMSばかりなので、もしラウドネスを知らない人がいれば~と思って記事にしてみました。
ラウドネスは記事の途中でも触れましたがYoutubeやSpotifyでも採用され始めたことで話題になったかと思います。
是非有効活用してみてください。
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