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マスタリングの低域処理

マスタリングにおいて低域の処理は大きな課題の一つです。低域が足りない曲も出すぎている曲もたくさんありますが、単純にEQで操作するだけでは限界があります。そこで今回はマスタリングの低域処理に焦点を当てて様々な方法で低域を処理する話をしたいと思います。

狙った帯域をBell EQで処理

最も一般的な処理方法です。

Qは狭めにして、処理したい帯域をピンポイントでブースト(カット)するのが良いです。

  • キックの重みを出す為にローエンドを強調したいなら、50~60Hzをブースト
  • キックのロー部分のアタックを出したいならば80Hz前後をブースト
  • ベース質量感を出したいなら100~150Hzをブースト

曲のミキシングにもよりますが上の例を参考にしてみてください。

ブーストの例を上げましたが、そのまま逆にカットすれば反対の効果を得られます。

次に書きますが、低域の全体をブーストすることはオススメできません。狙った帯域で狙った効果を獲得したい場合に使用することをオススメします。

使用EQ例

 

低域の量をShelf EQで制御

低域の量を制御するにはBell EQよりもShelf EQの方がオススメです。

特にPultec系やNeve系のアナログEQをシミュレートしたプラグインは音が気持ちよくブーストされる為オススメです。

  • 20Hzは本当に一番下のローエンドの量を制御したい場合(しっかりしたモニター環境が必要かと思います)
  • 30Hzはすこしキックのローエンドにかかってきます。
  • 60Hzはキック全体にかかってきます
  • 100Hzはベースを含めてローミッドあたりまでかかってきます

ローエンドからどのあたりまで制御したいかを決めて使用すると良いです。

使用EQ例

  • PTEq-X(無料・Pultec EQシミュレート)
  • Waves EQP-1A(有料・Pultec EQシミュレート)
  • UAD EQP-1A(有料・Apollo Twin等の専用オーディオインターフェースが必要)

 

Dynamic EQで動的に処理

動的な処理をしたい場面というのは、ある特定の楽器(低域帯では主にキック)のみにフォーカスを当てて処理したいときです。

具体的には、ベースに埋もれ気味なキックをDynamic EQで持ち上げることや、ベースが特定の帯域で鳴った時にバランスが崩れるときにDynamic EQで抑えるといった使い方が考えられます。

Dynamic EQは使い方の幅が広くて難しいため、プリセットを見て参考にするのも良いでしょう。

使用EQ例

 

(Multiband)Compressorでダイナミクスを制御

マスターエフェクトを刺していない2mix音源の場合、ダイナミックレンジが整っていない事が多いです。

CompressorまたはMultiband Compressorでコンプレッションすることで纏まりのある音にすることができます。2mixの低域が出すぎている場合、イコライザーで低域を削るよりもCompressorで整えた方が良い場合もあります。ミキシングが全体的に低域に偏っている場合はEQで処理し、キックかベースの特定の楽器が変に目立っている場合やダイナミクスが不安定な場合はコンプレッサーで処理すると良いでしょう。

低域にフォーカスする場合は、アタックは20ms~の遅めの設定にすることをオススメします。低音のアタック感を出しつつダイナミクスを整えることができます。

使用Comp例

 

さいごに

低域を制御するには単純にEQでブーストする方法以外にもたくさん方法があります。

今回紹介した方法の他にも、特別に低域に作用するプラグインなんかも存在します。

そういったものを場合によって組み合わせてマスタリングの低域のコントロールをマスターしましょう。

purureko

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