皆さんOzone8のMaster Assistantは使っていますか?私はマスタリングを客観的に見れるツールとして非常に役立てています。Ozone8を導入して半年以上経過して百曲以上の曲にMaster Assistentをつかってマスタリングの調整を行ってきましたが、ある程度パターンが見えてきました。そこで今回は私がOzone8のMaster Assistantを様々な楽曲に掛けて見えてきた傾向や私の感じたことを記事にしたいと思います。
Ozone8のMaster Assistantはかなり高音域を控えめにする特徴があります。とにかくどの楽曲にかけても大抵ハイが落ちます。これはOzone8が欧米圏のポップス系統のサウンド傾向に寄せていることが影響していると考えています。高音域を上げると派手な音になりますが耳に痛くなりがちで、歌ものなんかは特に向いてないです。
私はインストやクラブトラックを担当することが多いため、この高音域を控えめにする傾向にはあまりマッチしていません。Master Assistantではカットを提示されていても、曲によってはブーストした方が良いと感じた曲もあるくらいです。
アコースティック系や静かめなボーカル系の曲はそのままでも良いかもしれませんが、クラブ系の曲を担当する際はカット量は少し控えめにする等注意しておくべきでしょう。
高音域とは逆に低域はブーストされる傾向にあるようです。特に200Hz付近でのローシェルフでブーストされている事が多いように感じました。この帯域をブーストすると音全体の厚みが増して重厚なサウンドになります。が、ここをブーストしすぎると籠もったサウンドになってしまいます。特にローエンドは少しの差で音の重みが変化するため慎重に調整したほうが良いです。
別に300~500Hzでブーストされることもあります。ここの帯域は音の豊かさに影響してきます。この帯域はいろんなパートの音がぶつかりやすい帯域でもあるのでカットする方も多いのではないでしょうか?どちらが正解ということはないですが、「Ozone8はそういう判断なんだな」くらいに思えば良いかと思います。
これまでMaster Assistantでは中音域から高音域にかけてブーストするパターンは殆どなかったかと思います。
リード等メロディ系の綺羅びやかさを出す際に中音域のブーストが適しています。そういった色付けという意味では私もよくブーストするのですが、バランス調整という意味では確かにあまり適さないのかもしれません。
中音域でのブーストに関しては適宜判断して別のEQで行うと良いでしょう。
差はありますが、大半が下の2パターンの傾向に収まるかと思います。
上画像のように、ローが足りなくハイが出すぎている楽曲がかなり多くの割合を占めています。先に話したOzone8の特徴を考慮しても、やっぱりハイ寄りのミックスになっている方が多いです。
まずリファレンスを用意してミックスバランスを整えることを提案します。自分の作る曲に似たジャンルのリファレンスを用意してバランスを調整すると整いやすくなるでしょう。
次にモニタリング環境を確認してみてください。小さいスピーカーや安いヘッドフォンで作業をしている方は正しい音が出力できていないかもしれません。知り合いの機材を借りたり、スタジオに行けるならそこでの確認。そういう場所がないならば試聴コーナーをお借りするのも一つの手かもしれません。(余談ですが自分が今つかっているヘッドフォンは試聴コーナーで聴いて「このヘッドフォンだと自分の曲めっちゃしょぼく聞こえるやん!」となって購入しました。)
もうひとつ、一度簡易的にマスタリングしてミキシングをチェックしてみてください。リミッターをさして音量を上げるだけでもOKです。音量を上げると高音が耳につきやすくなりますし、そこで聞こえることも増えるかもかもしれません。
300~500Hz付近が足りずにブーストされている楽曲も多かったように感じます。
前述の通りこの帯域は音の豊かさやボリューム感に大きく関わってきます。ちょっと音が痩せてるかな…と感じた時にブーストするといい感じに音に厚みが出ます。
逆に300~500Hzをカットするとスッキリとしたサウンドになります。結構好みが出てくる帯域なのかなと個人的に思っています。
ミキシング時にスッキリさせようとしてローミッドを削りすぎて足りなくなっている可能性があると思いました。
というわけでOzone8のMaster Assistantを使って感じたサウンドの傾向でした。
Master Assistantの特性と、多くの人のミキシングの傾向両方が見えるのかなと思います。
ミキシングやマスタリングの参考になれば幸いです。