マスタリングで欠かせないエフェクタのひとつがEQです。出すぎている音域を抑えたり、逆にサウンドに味を付けたり登場頻度は最も高いエフェクタです。そのEQをどのように使うか、どうやれば効果的に使えるかという事についてお話致します。
EQに関してはインサート位置に細かい決まりはありません。私は下記3つのパターンが多いと思います。下記パターン以外にも必要と感じた場合は適宜EQを使って調整しましょう。もちろん個数にも制限はありません・・・が、あまり多すぎるのも問題かもしれません。
意図しない音のコンプレッションを抑えることができます。例えばハイハットが強すぎる2mixに対してそのままコンプレッサーをかけると、耳に痛いハイハットがさらに強調されてしまいます。またローエンドが出すぎている場合もコンプレッサーの挙動に影響するので調整したほうが良いでしょう。
コンプレッサーを使用するとサウンドトーンが変化します。そこを調整したい場合は、コンプレッサーの後にインサートします。
最終的な調整を行いたい場合にインサートします。
ただしコンプレッサーの前に刺すEQで大きな変化をさせる事や狭いQでの上下は好ましくありません。コンプレッサーの特性上、EQの効果がより強調されてしまうためです。大きくブーストすればより目立ちますし、狭いQでカットすればその帯域がスカスカになってしまいます。コンプレッサーの前にインサートするEQは大まかな調整の範囲で使うようにしましょう。
ブーストする前にまずはカットしましょう。カットには広いQでトーン調整をするのも良いですが、狭いQで狙った帯域をピンポイントでカットする方法も効果的です。例えば・・・
あくまで一例ですし、曲によっても変わってくるので、必ず曲ごとに実際に自分で試してみて下さい!
そしてカットによって音の整理が出来てから、ブーストしたい帯域を広めのQで上げてやりましょう。そうすればEQ調整での違和感を最小限に適切なサウンドトーンにできるでしょう。
ボーカルやピアノ、ギターなどの音はレコーディング環境や他のパートとのぶつかりである周波数が極端に強調されたような音が発生しやすいです(音を用意したかったけどそれっぽいのが手元にすぐ用意出来なかったです、ごめんなさい)。
その時は下記の方法でカットすると、不快感が解消されると思います。
マスタリングでの過度なイコライジングは好ましくありません。他パートへの影響や位相のズレに関係していきます。
目安として2db以上のイコライジングが必要と感じた場合は、2mixに戻って調整したほうが良い場合が多いです。2mixで調整ができる場合は是非検討してみてください。
EQによって音が違いますし得意分野も違います。それぞれのEQの特性を理解して、使い分けるようにすると一段階上のマスタリングを行うことができるでしょう。
私の使っているEQの一部を紹介します。
愛用者も多いかと思います。自由度が高く、MS処理が可能、アナライザ付き、マッチングEQ可能、リニアフェイズ搭載と本当に便利なEQです。主にカット方面での音の調整で活躍します。使用頻度は一番高いです。とても機能が多いので、個別の記事でまた紹介したいとも考えています。
SSLをシミュレートしたEQです。SSLってなんぞやってのはググって下さい、一言で言うとレコーディング等で超有名なメーカーです。ブーストした際に違和感なく非常に綺麗にブーストされるため、ブーストでの味付けでよく使っています。
Passive回路使ったEQってやつです。とにかく味付けがマイルドで非常に自然に聞こえます。Solid EQとは違ったカラーでのブーストで味付けを行います。
Pultec EQをシミュレートしたEQです。ブーストが気持ち良いと定評があります。主にローエンドやハイエンドの調整で使用します。
皆さんが持っているEQはどのような特徴を持っていますか?是非EQ毎の特徴を理解して使い分けてみて下さい。
View Comments
EQについて考えるいいきっかけになりました
これからも頑張ってください
ありがとうございます!