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個性が強すぎる!?Omnisphere2ってどんな音源?実際に曲を作ってみた感想

Omnisphere2といえば大量のサウンドライブラリを内包した有名なシンセサイザーです。私自身昔から気になってはいたのですが、今年のブラックフライデーにやっと購入したということでその使用感を記事にしていきたいと思います。実際にOmnisphereを使って(簡単なものですが)曲を作ったのでそれを踏まえてご覧いただければと思います。

実際に作ってみた

1曲1Omnisphereという構成で 4曲入りのEP 「Ohm EP」を作成しました。楽曲全体の雰囲気は「Attack Damage EP」のようにダーク目なエレクトロニック系でまとめました。
Omnisphere1台で8つの音色を扱えるので、どの曲も8つの音から構成されています。Omnisphereは自身での音作りも非常に幅広く行えるのですが、今回はプリセットを主体に音を構築しました。ほぼMIDIベタ打ちという点もご注目頂ければと思います。

あまりにも個性が強すぎる音源達

あえて最初に言いますが、DTM初心者の方や総合音源を求めている方にはオススメできません。ひとクセあるプリセットが多くを占めていて、シンプルなピアノが欲しい・ストリングスが欲しいといった要望にはあまり応えてくれません。

どういう人にオススメかというと、変な音色やノイズが好きな人には是非手にとってもらいたいなと思いました。「Ohm EP」の音がまさにそういう音です。これでも聞きやすい音を採用したのですが、Omnisphereにはもっと変な音がプリセット内にたくさんあります。

14000を超えるプリセットを内包している為シンプルな音ももちろんあるのですが、ノイズが混じっていたりよくわからないエフェクトがかかっていたり、変な倍音が乗ってたり、そもそも音階がおかしかったり、少し聞いたらどこで使うんだ?みたいな音がたくさんあって、エレクトロニックな曲やチルアウトで使うと面白そうな印象を受けました。

「overrun」の冒頭なんかも、良かったノイズ系プリセットにとりあえずベース(このベースもノイズめっちゃのってる)のっけて音楽にしたみたいな感じです。

ひとつのプリセットとは思えない表現力

「observer」の冒頭から鳴っているハイハット(ノイズ?)やキックが特にわかりやすいと思います。これらの音は特にプリセットをいじらずベロシティすら触らずMIDIベタ打ちにも関わらず音が大きく変化していて、Omnisphereの凄さを感じました。
DTMもとい打ち込み音楽はMIDIのベタ打ちだと表現力のない機械的で平坦な音になるため、手間を掛けてベロシティやモジュレーションを使ってひとつの音源内でも変化をさせて表現力を出します。その作業が非常にめんどくさいのですが、そういう表現をベタ打ちで簡単に表現できるというのはプリセットならではOmnisphereならではという感じで素晴らしいです。

他の楽曲も音が頻繁に変化していると思いますがほぼベタ打ちです。どんな打ち込みをしていて元々どんなプリセットを使っているかという事はFANBOXでプロジェクトを公開しているので気になる方は是非ダウンロードしてみてください。

pixiv FANBOX https://www.pixiv.net/fanbox/creator/325987
※pixiv FANBOXとはアーティストに対して月額支援を行えるサービスです。アーティスト側は支援者に対して特典を配布したりできます。

大量のプリセット。パッドやFX、ノイズに強い?

まず初めにプリセット数がめちゃくちゃ多い(14000以上)のですべてを網羅しているわけではないということをご了承ください。その上で、Omnisphere2をざっと使ってみて、パッドやFX、ノイズ、テクスチャ系、モノシンセが特に音色が豊富で使いやすいと感じました。ここらへんの音源を補強したいという方にもオススメできます。実際にFXやノイズは「Ohm EP」のどの楽曲でも使用していて音色の多さも相まって今後も使用頻度が一番高くなりそうな音色です。

楽器単体だとカリンバ系統の音が非常に豊富でカリンバ音源と呼んでもいいのでは・・・は言い過ぎにしてもとてもいろんな音がカリンバだけでも収録されています。「Ohm EP」では「optical」でその中のひとつを使用しました。カリンバの種類(カリンバと呼ばないかもしれませんが似たような音も含めて)も豊富な上に演奏豊富がいろいろあって、指やピックはもちろんコインや砂糖なんかもあります。砂糖って何!?他の音源だとそもそも収録されていなかったりする系統の楽器なので個人的に嬉しかったです。

上記で紹介した強い部分ほどではないですが、その他の音色も本当にいろいろな音が収録されているのでプリセットを確認する価値は非常に高いです。民族楽器やベル系、キーボード系、打楽器系と本当に種類は様々でそれがひとクセ加えられてプリセットに収録されています。

逆に弱い部分は冒頭でも説明したとおり、シンプルな音やピアノ・ベース・ストリングス・ドラムといった定番系です。この定番系の部分は同社製品のKeyscapeやTrilianで補ったりKontakt系の音源を使用するのが望ましいでしょう。(一応それっぽい音は入っていますがやはりひとクセが・・・)

ストリングに関してはソロでは使いづらいですが、コードで使う分にはいい響きが出せる音もありました。「optical」という音源で生ストリングスに近い音色があったのでそれを使って重厚なコードを鳴らしてみました。

自作もできる未知の領域

Omnisphereはサンプラー音源ではなくあくまでシンセサイザーです。4つのレイヤー、オシレーターには大量のシンセ波形とサンプル波形、フィルターやモジュレーションの種類も非常に豊富で、エフェクタも多数収録されています。
決して操作しやすいインターフェースではないですが、やれることがとにかく多いです。
クセのある音色が多いと散々言ってきましたが、気に入らない部分は自らのエディットで調整すれば使えるようになるかもしれません。
14000のプリセットで満足できそうになくてもまったく問題なさそうです。

まとめ

  • プリセットの個性がすごい。変わった音を求めるならオススメ
  • クセのある音が多い為、初心者や定番音源を求める人には向かない
  • 様々な音が収録されているが、特に 変な音やノイズ、シンセパッドに特に強い
  • 音色がベロシティやランダムで変化するものも多く、MIDIベタ打ちでも表現力が出る
  • 音色エディットの幅は非常に広いが、UIはあまり良くない

さいごに

とにかくクセが強いというイメージがつよいOmnisphere2でした。それ故に面白い音源なので気になる方は是非セール中にご購入ください。

1曲を1台のOmnisphere2で作った「Ohm EP」の方も宜しくお願いいたします。フリーなので自由にお使い下さい。FANBOXにて支援して頂いている方にはプロジェクトの方もダウンロードできるようになっております。

purureko

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