Ozone8の自動マスタリング機能は使えるのか

Ozone8の自動マスタリング機能は使えるのか

 

8/31までiZotopeのセール(参考:Computer Music Japanさん)が実施されており、iZotopeの代表プラグインともいえるOzone8もセール対象となっております。私も今回のセールでOzone7からOzone8アップデートしました!というわけで今回はOzone8の目玉機能とも言える自動マスタリング(Master Assistant)機能について私視点でレビューしてみたいと思います。

Master Assistantとは

Ozone8の目玉機能といえばなんといっても「Master Assistant」です。

Master Asistantとは音声を解析し、音楽ジャンルに合わせて自動でマスタリングエフェクトをかけてくれるというもの。

Ozone8のマニュアルから少し抜粋します。

マスターアシスタントはOzone 8 Elements、StandardそしてAdvancedに導入された、アシスト技術、マシーンラーニング、そしてインテリジェンスにおける最新の進展です。これにより、音楽に合わせてインテリジェントにあつらえた作業開始点が提供されますので、経験値に関係なく、プロフェッショナルな音像のマスターを制作する大きな助けとなります。

 

マスターアシスタントは、内部的なディスカッションと研究の組み合わせにより生成されたターゲットジャンル曲線を利用します。我々の作業は数多くのオーディオファイルを10種類の音楽ジャンルに分類することから始まりました。その上で、それらジャンルのスペクトラル特徴を分析しました。その研究に基づき、我々は各ジャンルの典型的なスペクトラル特徴を表した10種類のジャンルターゲット曲線を作り出しました。

典型的なスペクトラル特徴を分析するのに加え、神経網分類機能を鍛錬し、入力オーディオを10種類のジャンルの混合となる特有のターゲット曲線にマップするようにしました。

 

ほへぇ~

すごそう(小並)

 

とりあえずiZotope社が研究と機械学習でジャンルに適した表現をできるようにしたということらしい。

操作は非常に簡単で

  • オーディオを鳴らしておく
  • Master Assistantボタンをクリック
  • モードを選択
  • Nextボタンをクリック

たったこれだけでマスタリングができてしまいます

マスタリングエンジニアが楽曲のバランスを見てイコライザでブーストしたりまたはカットしたり適切なコンプレッションレベルを見極めたりステレオ感の調整をしたり歪に気をつけながらゲインをあげてリミッタをかけながら各楽曲のレベルをあわせたりこれらの作業をいくつかのモニター環境で確認したり・・・・・・

諸々そういうことがものの10秒程度でできてしまいます。すごい。

 

モード選択は3種類あり

  • Streaming→ラウドネスのターゲット値(デフォルトだと-14LUFS)に合わせてマキシマイズされる
  • CD→できる限り音量があがるようにマキシマイズされる。(Low・Middium・Highからマキシマイザの掛かり具合を選べる)
  • Reference→リファレンスで読み込まれたオーディオに近づくようにマスタリングされる

というおおまかな違いがあります。

 

そこで皆が当然疑問に思うであろう事柄がありますよね。

どのくらいのクオリティなの?」ということです。

それについてこれからお話していきます。

 

 

自分の曲にかけてみた

とりあえず聞いてみてください。

Master Assistantの設定は

  • Target→CD
  • Intensity→High(音圧高め)

です。(設定などの詳しい話はOzone8のマニュアルを御覧ください)

 

●セルフマスタリング

 

●Ozone8 Master Asistant

 

めっちゃ良い!!!!!!!!!!!!!

IntensityをHighにしたので、ラウドネスも-6.5LUFSまで上がっておりクラブトラックとしても十分です。(ただし音圧マシマシトラックには見劣りしてしまいます。ダイナミクス重視とポジティブに言い換える事もできます。)

私のマスタリングの方がハイが少し出すぎている印象があり、Master Assistantでは聞き疲れしにくいハイになっています。

ローは少し締りきってないですが、これはMaster Assistantではコンプやテープをかけないせいでしょう。

同じ理由で、全体的に若干迫力にかけますが、かけないほうが聞きやすいという人もいるでしょう。

自動解析で素早くこのクオリティを再現できるのは本当にすごいです。

 

それでは皆さんOzone8を買ってマスタリングしましょう。

本日の記事はこれにて終了です。

 

 

という訳にはいかないんですよねぇ・・・

 

“Assistant”故の落とし穴

前述の通り、Master Assistantが非常に有用であることがわかりました。

それで他にもいろいろな曲にMaster Assistantを試してみましたが、あくまで”Assistant”機能なんだということがわかりました。

つまり軽い調整には向いてますが、大きく音質を変えなければならない時はあまり役に立たないということです。

ぶっちゃけると、ミキシングがうまくいってない楽曲に対してMaster Assistantは適さないということです。

良い意味でも悪い意味でも、元の2mixを尊重して調整を行ってしまいます。

 

それじゃあミキシングがうまくいってない楽曲にMaster Assistantは使わないほうが良いのか?ということですが、そうではありません

まず手動でEQやオートメーション等を使って2mixに調整をした上で、Master Assistantを使えば従来どおり”Assistant”としての機能を発揮できるでしょう。

 

 

あくまでAssistant

Ozone8には様々なプラグインが収録されていますが、Master Asistantで使用されるのは

  • EQ
  • Dynamics
  • Dynamic EQ
  • Maximizer

のみです。(DynamicsはデフォルトだとOFFの場合が多いです)

つまりステレオ感の調整やビンテージ系プラグインによる付加要素、オートメーションによる調整などには対応していないということです。

上記4つのエフェクトでは手が付けられない部分は、手動で対応しなければなりません。

実際に上の例でも、ローがもこもこしていて少し迫力にかけていましたね。(DynamicsをONにしたら多少改善されるかと思います。)

しかし、前項のとおりEQとMaximizerの調整は非常に優れていました。

特にDynamic EQはマキシマイズ時に歪みが発生しやすい帯域を解析して抑えるように設定されるらしく、自分では手がつけられない非常に素晴らしい機能だと思いました。

 

というわけでMaster Assistantをうまく使うには「自身が用意したマスタリングルーチンの最終段にインサートして、最終的なEQ調整とマキシマイズをする」という使い方が一番合っているのではないかと思います。

実際にOzone8のEQやMaximizerを使用しなくても、自動解析だけさせてそれを指標にして他プラグインで調整する手段でも十二分に力を発揮できるでしょう。

 

さいごに

Master Assistantを様々な楽曲(主にクラブ向けトラックが多いですが)に使ってみた感想を書いてみました。

まとめると

  • “Assistant”としての機能(特にEQ)は非常に有用。
  • これ一本でマスタリングはしないほうが良い。
  • 良い意味でも悪い意味でも元2mixを尊重する。あくまで調整の範囲。
  • 最終段にインサートして”Assistant”として使うのが効果的。
  • 音圧を求めるならば、マキシマイザは他プラグインを使うほうが良い。

という感想でした。

私自身、今後この機能は頻繁に使っていくことになるかと思っております。

機械学習すげぇ~!

 

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